新規就農は厳しい?「売る先がない」絶望を収益に変える生存戦略

新規就農は厳しい?

「3年で3割が離農」「5年続けば成功」 新規就農の世界では、そんな厳しい現実がささやかれます。夢を持って飛び込んだ農業の世界ですが、実際に経営の不安を抱えるのは、栽培技術を磨いて収穫できるようになったその先からです。

丹精込めて育てたにもかかわらず、見た目やサイズなどの基準を満たさないだけで廃棄される果実。見通しの立たない販路。そして、容赦なく押し寄せる価格競争の波。

この記事では、「作ることはできる。でも売れない」という新規農家特有の苦悩に寄り添いながら、 6次産業化(加工)という選択肢によって、経営を立て直す具体的な生存戦略を紹介します。 コンサルタントではなく裏方の相談役として農家と伴走してきたジュース工房シエスタが、現場のリアルな視点から解決策をお伝えします。

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立ちはだかる壁

よくある3つの壁(資金・農地・技術)と競合との違い

新規就農者が直面する最初の壁として、一般的に「資金・農地・技術」の3つが挙げられます。

特に資金面でのハードルは想像以上に高く、例えば一般的なパイプハウスを建てるだけでも10アールあたり500万円〜800万円、本格的な鉄骨ハウスになれば1,000万円以上の初期投資が必要になることも珍しくありません。加えて、近年の肥料代や燃料費の高騰が追い討ちをかけ、トラクターなどの機械代を含めると、就農初年度から数千万円規模の資金調達(借り入れ)が必要になるケースも多々あります。

また、農地の確保も地域のネットワークや信頼関係がないと簡単には進みません。栽培技術については、教科書通りにはいかず、その土地の気候に合わせた実践を重ねながら習得するまでに数年以上かかるのが現実です。

しかし、これらは国や自治体の支援制度(青年就農給付金や認定新規就農者制度など)によってある程度サポートされています。実際、農林水産省の統計調査によれば、令和4年の新規就農者数は45,840人と報告されており、制度の後押しを受けて多くの人が挑戦しています。

問題は、その「後」です。 総務省の行政評価局による調査では、国の助成制度を活用した研修から就農した人のうち、約35%が4年以内に離農しているという衝撃的なデータがあります。 なぜ、これほど多くの人が志半ばで農業を諦めてしまうのでしょうか。

【盲点】最大の厳しさは「作ること」より「売ること」にある

離農の最大の原因は、栽培の失敗ではなく販売不振(キャッシュフローの悪化)にあります。 「良いものを作れば売れる」というのは、今や通用しない神話です。

皮肉なことに、栽培技術が向上し生産力が上がるほど、今度は在庫というリスクが増大します。 JA(農協)や直売所、ネット通販など様々な出荷先がありますが、それぞれに役割と特徴があります。JA出荷の最大のメリットは、選別・箱詰め・販路開拓といった「販売にかかる膨大な手間」をすべて任せられる点にあります。そのおかげで、生産者は最も重要な「栽培」に集中することができるのです。 一方で、直売所や道の駅は価格を自分で決められますが、集客から発送まですべて自分で行う必要があり、その労力と時間は計り知れません。

農林水産省の報告によれば、新規就農者のうち農業所得だけで生活できている人の割合は依然として低く、収益の確保が大きな課題とされています。 特に新規参入者は、販路のコネクションや営業ノウハウが不足していることが多く、作物の品質には自信があっても「誰にどう売るか」が分からず、市場に埋もれてしまうのです。

見て見ぬふりをされる「規格に合わない果実」の廃棄ロス

そして、農家の心を最も蝕むのが廃棄ロスの問題です。

環境省と農林水産省の発表によれば、日本国内での年間食品ロス総量は約464万トン(2023年推計)とされています。この膨大な数字の一部は、生産現場で発生しています。

果実の場合、味や栄養価はA品と全く変わらないのに、少し形が悪い、表面に小さな傷がある、サイズが規格より数ミリ小さい…たったそれだけの理由で規格外品(B品)の烙印を押されます。 これらは二束三文で加工業者に引き取られるならまだマシな方で、引き取り手が見つからなければ、生産者が自らコスト(人件費や運搬費)をかけて廃棄しなければなりません。

「あんなに手間暇かけて育てたのに、最後はゴミとして捨てるのか…」 軽トラックの荷台に積まれた果実を廃棄場所に運ぶ時の、身を切られるような精神的ストレス。そして、本来なら売上になるはずだったものが処理費用というマイナスに変わる経済的損失。 この二重苦こそが、新規就農者の経営体力を奪う真因です。

その厳しさ、「加工(6次化)」という選択肢で解決

販路の課題や廃棄ロスといった現実に対して、有効な打ち手のひとつが6次産業化(加工)です。ここでは、実際に農業現場で起きている課題を、加工という手法でどう解決できるのか、具体的なロジックで解説します。

廃棄リスクを減らす。出荷できなかった果実を「売れる商品」へ

出荷規格に合わない果実は、通常は廃棄されるか、1kgあたり数十円という安値で買い叩かれます。 しかし、ジュースなどの加工商品に変えれば、果実の見た目は関係ありません。重要なのは味と物語です。

【収益化のシミュレーション例】
例えば、規格外のリンゴが100kg出たとします。

・そのまま出荷:
1kg 50円 × 100kg = 5,000円 の売上(ここから箱代・送料等を引くと利益はわずか)

・ジュースに加工:
1kgから約600ml(200ml瓶×3本)製造可能  → 300本製造 × 1本500円で販売 = 150,000円 の売上

もちろん、ここから加工賃や資材費は引かれますが、手元に残る利益の桁が変わるポテンシャルを秘めています。 今まで捨てる=コストだったものが、加工=次のシーズンの肥料代に変わる。この収益構造の転換こそが、加工の最大のメリットです。

ジュース工房シエスタでは、そうした加工支援を最低10kg程度から提供しており、廃棄削減と収益化の両立をサポートしています。

相場に左右されず、自ら価格を決められる強み

生鮮品(青果)は、市場の相場(需給バランス)に命運を握られています。全国的に豊作になれば豊作貧乏と呼ばれる価格暴落が起き、自分ではどうすることもできません。

その点、加工品であれば原価と利益を自分で計算し、自分で価格を設定(プライシング)することができます。 こだわりの土壌で作った、無添加で仕上げたといった付加価値を乗せることで、相場に関係なく、納得できる価格で販売可能です。 また、卸売市場では評価されにくい品種や、マイナーな果実も、加工して希少な高級ジュースとして打ち出すことで、独自のポジションを築くことができます。

収穫のない時期でも売上が立つ「第2のキャッシュポイント」

多くの果実や野菜には旬があり、収穫期以外は売上が立ちにくいのが農業の弱点です。特に冬場などの農閑期(端境期)は、収入が途絶えるため、多くの農家が運転資金のやり繰りに苦労します。

一方で、ジュースやジャムなどの加工品は、賞味期限が長く(1年〜2年)、常温保存が可能です。 繁忙期に収穫・加工しておけば、収穫のない時期でもネット通販や地元の土産物店、ふるさと納税などで継続的に販売し、現金を稼ぐことができます。

このように、生鮮品の瞬発的な売上に加え、加工品の安定的な売上という第2のキャッシュポイントを持つことで、経営の安定性は格段に高まります。

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ジュース工房シエスタが提案する「失敗しない」3つの生存戦略

① まずは「規格に合わない果実」の価値を見直すことから

形やサイズ、傷の有無といった外見基準によって出荷できない果実も、加工することで高品質な商品に生まれ変わります。 ジュース工房シエスタでは、素材そのものの甘みや酸味を最大限に活かす製法とレシピの工夫によって、外観では評価されにくい果実をプレミアムな商品へと昇華させるノウハウを持っています。

つまり、今まで見たくもないと思って裏に捨てていた果実の山は、実は宝の山なのです。まずはその価値に気づくことから、生存戦略は始まります。

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規格外果物を活かす方法 規格外果物を活かすジュース加工という選択肢

いきなり工場を持たず「小ロットOEM」でテストする

「加工のメリットは理解できても、工場を建てるだけの資金余力は手元にない」 そう感じるのは当然です。加工工場の建設には衛生管理を含め数百万円〜数千万円単位の投資が必要で、就農したての経営者にはリスクが高すぎます。

だからこそ、最初は持たざる経営を推奨します。 ジュース工房シエスタでは、小ロット(10kg〜)からのOEM製造(受託製造)に対応しています。自前で設備を持つことなく、プロの設備と技術を利用して商品化が可能です。 まずは少量でテスト販売を行い、「どの味が受けるか」「いくらなら売れるか」を検証してから増産する。このスモールスタートこそが、失敗しない鉄則です。最短で当日納品が可能な柔軟な体制も、スピード感を重視する経営者に選ばれています。

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小ロットから始める飲料OEM 小ロットから始める飲料OEM|10kg〜対応のジュース加工で商品化を実現

③ 販路確保の切り札「ふるさと納税」を狙う

地元では無名でも、全国で売れる。それがふるさと納税という仕組みの凄さです。 特に加工品(ジュースやジャムのセット)は、ふるさと納税の返礼品として非常に人気が高く、リピート率も高いカテゴリーです。

ジュース工房シエスタでは、単に製造するだけでなく、ふるさと納税返礼品としての登録サポートや、見栄えのするセット組みの提案なども行っています。 販路構築が難しい新規就農者にとって、国の制度を利用して全国の消費者と繋がれるこのチャネルは、BtoCビジネスへの最短ルートとなります。

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ふるさと納税に出品したい方へ ふるさと納税に出品したい方へ|少量から始める果実の価値化と商品化支援ガイド

成功する新規就農者は「孤独」を選ばない

家族で農家をしている

プライドを捨てて「相談できる仲間(パートナー)」を持つ

私たちが数多くの農家さんと接する中で感じる、成功する新規就農者の共通点。それは素直に人を頼れることです。

既存の農家の中には、代々のやり方やプライドがあり、外部の意見を取り入れにくい方もいらっしゃいます。しかし、しがらみのない新規参入者だからこそ、分からないことは聞く、プロの力を借りるというビジネスライクな判断ができるはずです。 特に農業は、天候や病害虫など不確定要素が多いビジネスです。自分一人ですべてを抱え込むと、問題の発見が遅れ、取り返しのつかない事態になりかねません。

ジュース工房シエスタは、上から目線のコンサルタントではありません。 良い作物を作るプロであるあなたに対し、それを売れる商品にするプロとして伴走する、裏方の相談役です。 ラベルのデザインはどうするか、瓶のサイズはどうするか、発送用の箱はどこで買うか。そんな細かな悩みまで相談できるパートナーを持つことが、精神的な支柱にもなります。

加工工場は単なる製造場所ではなく「情報のハブ」

加工依頼先の工場は、単に果実を液体にするだけの場所ではありません。 私たちの工場には、全国各地の農家、道の駅のバイヤー、飲食店のオーナーなど、多種多様な人が出入りしています。つまり、今、何が売れているかという情報の最前線(交差点)なのです。

・「最近は720mlの大瓶より、飲みきりサイズの200mlがギフトで選ばれやすい」
・「ラベルのデザインは、高級感よりも手書き風の親しみやすさがトレンドだ」
・「この品種は酸味が強いから、炭酸割りのシロップとして売った方が高く売れる」

こうした生きた現場の知見は、個人農家が畑にいるだけでは絶対に入手できません。 加工を委託するということは、単に商品を作るだけでなく、こうした情報資産にアクセスする権利を得ることでもあります。 新規就農者にとっては、製造委託=販路拡大のヒントを得る場所と捉えてみてください。

次のシーズンに向けて、今から「収益構造」を変える準備を

新規就農に立ちはだかる「販路の壁」や「収益化の難しさ」は、決して一人で抱えるべき課題ではありません。 規格外果実の活用、小ロットからの加工スタート、ふるさと納税という販路戦略——これらを組み合わせることで、農業経営はもっと柔軟に、もっと戦略的に変えていくことができます。

農作業に追われる繁忙期に、新しいことを始める余裕はありません。だからこそ、少しでも手が空いたタイミング、あるいは今の厳しさを痛感している今こそが、動くべきベストタイミングです。 次のシーズンが始まる前に、作って終わりではなく売る仕組みづくりの種まきをしておきましょう。

ジュース工房シエスタは、売る裏方として、あなたの農業経営を支える相談できるパートナーを目指しています。 まずは一度、気軽にご相談ください。あなたの農産物に合った加工・販路戦略をご提案いたします。

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この記事を書いた人

ちいさなジュース工房シエスタ 編集部

栃木県の工房から、全国の農家様や地域の生産者様に寄り添う「ちいさなジュース工房シエスタ」。編集部では、果実加工に関するお役立ち情報や取り組み事例、ものづくりの裏側、販路づくりのヒントなど、現場に根ざしたリアルな情報を発信しています。

一人ひとりの「届けたい思い」に応えるパートナーとして、ジュースづくりを通じた価値創出に日々取り組んでいます。